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新時代のマーケティング手法「FRM(ファンリレーションシップマネジメント)」とは?

FRM(ファンリレーションシップマネジメント)は、既存顧客と新規顧客の情報を一括管理する概念です。

商品やサービスのユーザーをただ一括りに捉えるのではなく、エンゲージメントの高い「ファン」として能動的にアプローチすることで、また新たに支援してくれるファンを生み出します。

現在このFRMに注目が集まってきています。

アクティブな行動一つで企業やクリエイターとの関係性が深まるこの仕組みは、顧客にとってもメリットが多く、今後のSaasビジネスでは最重要となるに違いありません。

当記事では、FRMを活用した新時代のマーケティングの重要性やポイントについて具体的に解説します。

目次

FRM(ファンリレーションシップマネジメント)とは

FRMはFan Relationship Management(ファンリレーションシップマネジメント)の略称で、比較的新しい概念です。

これは欧米のスポーツ分野の中でもともと使われていた言葉です。

スポーツチームにおいて、ファンに対して魅力的なアプローチを施した結果、チームとファンの関係性はより強くなります。

関係性が深まったファンのポジティブアクションによってまた新たなファンが生み出されるため、「ファンがファンを育てる」という好循環が出来上がるのです。

ファンとの関係構築を促進させるこの仕組みをビジネス業界にも汎用させたものが、今回紹介する「FRM」の本質です。

日本のマーケティングにおいては、コミュニティSNS「WeClip」を開発するTieUps株式会社によって2023年に初めて提唱されました。

FRMが注目されるようになった理由

FRMが注目されるようになった主な理由は、インターネットの普及によるSNS利用者数の増加です。

従来では個別にデータを分析してマネジメントしていくCRMのような枠組みで顧客のLTVを向上させることでビジネスは成り立っていました。

しかし、今や高齢層でもSNSを利用してコミュニケーションをとる時代です。

対個人ではなく、対ネットワークという視点で考えたマーケティングが重要となってきます。

そのような状況下で、口コミなどのUGCを作り、顧客の拡散力を活かそうというFRM的思考が注目されるようになったのです。

販売を不要にするための「ファン育成」

FRMに関して少し理解が深まったところで、そもそもマーケティングをする目的とは一体なんなのか一度考えてみましょう。

「マーケティングの父」とされているピーター・ドラッカーはこのような名言を残しています。

マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである

ピーター・ドラッカー.『マネジメント』

マーケティングでは顧客目線で物事を考えることが大切です。

顧客が求めているものを理解し、商品を自然に選べる状態を作ることが理想だと述べています。

FRMでは、顧客同士が簡単に交流できるコミュニティを作り、日々エンゲージメントを高めることでファンを育てます。

つまり、FRMは販売を不要にするという本質的なマーケティングを実現させる最適かつ最新の手法なのです。

FRM(ファンリレーションシップマネジメント)と似た言葉

当記事で紹介するFRMと似ている言葉をいくつかご紹介します。

  • CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
  • FRM(ファン・レスポンス・マーケティング)
  • DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)
  • RFM(Recency、Frequency、Monetary)

それぞれFRMと何が違うのか順に解説していきます。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は顧客関係管理という意味を持ちます。

すなわち、CRMは既存顧客の囲い込みを主としたマーケティング手法です。

既存ファンに育てられる新規ファンの獲得までを範囲としていない点で、FRMとは異なります。

FRM(ファン・レスポンス・マーケティング)

FRM(ファン・レスポンス・マーケティング)は略称が全く同じですが、意味が異なります。

このFRMは、情報発信によってファンを獲得する手法です。

見込み客の悩みを解決する情報や価値のある情報、ブランド、個性などを発信するメディアを育てるマーケティング活動を意味しています。

ファンリレーションシップマネジメントは「ファンがファンを育てる」という概念そのものであるため、情報発信マーケティングのことではありません。

DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)

DRMは(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)は先ほどのファン・レスポンス・マーケティングとよく対比される手法です。

既存や新規を問わず、広告など費用をかけて顧客を獲得する「従来のマーケティング」として注目されていました。

「費用をかけずにプロモーション効果を得たい」という現代の考え方にはあまり合致しない点があります。

RFM(Recency、Frequency、Monetary)

RFMは3つの指標を用いて顧客を分類する分析方法です。

3つの指標は「Recency(直近の購入日)」「Frequency(頻度)」「Monetary(購入総額)」です。

それらをもとに分類したグループごとにマーケティング施策を行っていく手法であり、FRMの意味とは異なります。

CRMとの違い

FRMと似た概念的枠組みのCRM(Customer Relationship Management)について、もう少し深掘りしましょう。

FRMとCRMの違いを3つの観点から具体的にご説明します。

カバー範囲が広い

まず1つ目は、カバー範囲の違いです。

CRMは商品やサービスをすでに知った上で興味を示している顧客や実際に購入してくれる顧客を対象としています。

一方、FRMの範囲はCRMで囲いきれない「まだサービスを知らない人」や「サービスを周囲に拡散してくれるファン」にまで及びます。

これは先述したとおり、既存ファンのUGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)が新たなファンを作るという段階を経るからです。

このカバー範囲の広さがFRMの魅力の一つです。

顧客数の増加を目的としている

2つ目は、活用目的の違いです。

CRMは顧客ひとりあたりのLTV(顧客生涯価値)の向上を目的としていますが、FRMは主に顧客数の増加を目的とした手法です。

既存顧客の囲い込みにはCRM、既存+新規顧客育成にはFRMという位置付けを理解することが重要です。

UGCが生成される

三つ目は、UGCが生成されるかどうかの違いです。

既存のファンがサービスを長く利用できるようサポートしていくことを重視するCRMに対し、FRMでは新規ファンへの拡散や購買意欲を促進させる点がキーポイントです。

拡散や購買意欲を促すために必要なUGCは、既存のファンによってSNSやコミュニティ内で自然発生するようになります。

もちろん、アクティブなアクションが活性化したりコンテンツが増えるように、何らかの施策を取ることは必須です。

しかし、その施策がスムーズに働けばSNSやコミュニティ内でのUGC生成はビジネスの力強い味方となるでしょう。

SNSなどを使用して生成したUGCをマーケティングに活かす方法は以下の記事で詳しく説明しています。

FRMをマーケティングで活用するメリット

FRMをマーケティングで活用するメリットについてご説明します。

FRMを活用したマーケティングの主なメリットは、以下の3つです。

・ファン同士が交流できる場所になる
・キーマンを発見できる
・サービスのグロース(成長)につながる

ファン同士が交流できる場所になる

FRMの手法を活用したコミュニティ内では、ファン同士が交流できます。

共通の趣味や目的など、お互いの好きなことで繋がれるのはありがたいですよね。

ファン同士が盛り上がるとコミュニティの活性化にも大きく影響を及ぼします。

ファン同士の交流は、ファンにとっても企業にとっても十分なメリットなのです。

キーマン(KOL)を発見できる

一定の影響力がある人を広告として利用するインフルエンサーマーケティングという言葉はよく耳にするのではないでしょうか。

FRMでは、インフルエンサーはもちろんのこと、特定のコミュニティ内だけでも大きな影響力を持つユーザーすなわちキーマンを発見することができます。

この種のキーマンはインフルエンサーなどのように一般的な知名度をもつわけではありません。

しかし、それでも発言力や拡散力の大きい存在なのは確かです。

FRMではそのようなキーマンを見つけられるというメリットがあります。

サービスのグロース(成長)につながる

またFRMでは、サービスの改善点を見つけ、グロース(成長)にもつなげられます。

既存のファンの口コミやファン同士の交流を通じて企業側に明確に伝わるのは、顧客の声(VoC)です。

商品やサービスを向上させる上で顧客の声は絶対に欠かせません。

FRMのこの特徴を活かして、ビジネスの質をより高めていくことが可能です。

FRMをマーケティングで活用する際のポイント

FRMを活用してマーケティングをする際のポイントは以下のとおりです。

・ファンとの交流に重視する
・ユーザーアクションが活性化する仕組みを作る
・ヘルススコアを管理して顧客を成功に導く

一つずつ詳しくご説明します。

ファンとの交流に重視する

まず、何といってもファンとの交流を大事にすることが最大のポイントです。

企業側が介入せずにファン同士だけでコミュニティが活性化することはあります。

しかし、基本的にはサービスの運営サイドも一緒にアクションを起こすことでコミュニティは活性化されます。

サービスへの思いを汲み取ってもらうためにもファンと交流することが重要です。

ユーザーアクションが活性化する仕組みを作る

次に、ユーザーアクションが活性化するような仕組みを作る必要があります。

例えばハッシュタグ投稿など、特定の行動をとったユーザーにはポイントを付与して、ポイントが一定数に達したときには商品引換券をプレゼントする、などといった仕組みです。

このようなアクションが活発になると、新規のユーザーからの注目が集まるきっかけにもなります。

ヘルススコアを管理して顧客を成功に導く

また、ヘルススコアを管理して顧客を成功に導く「カスタマーサクセス」の要素もFRMマーケティングのポイントです。

ユーザーがファンへと変わるためには、一時的にではなく継続的にサービスを利用することが望まれます。

ヘルススコアを測り、顧客が今どのような状況なのかを分析して、適切な施策をとりましょう。

カスタマーサクセスについて、以下の関連記事で詳しく説明しているので気になる方はご覧ください。

FRMに特化したツール

ここまでの内容から、FRMの重要性を理解していただけたのではないでしょうか。

しかし、いざ取り入れようと思っても、そもそもファンと交流できるコミュニティや媒体がない可能性があるかもしれません。

何をしたらいいかわからない方へのおすすめとして、FRMの手法を使ったツールを最後にご紹介します。

応援するファンを育てる「TieUps」

TieUps は、FRMを提唱したTieUps株式会社によって提供されたサービスです。

コミュニティSNS「TieUps」のビジネス版として利用されています。

コミュニティ内でのファン同士の交流はもちろん、KOL(キーマン)のマネジメントやリンクまとめサービス「Lit.Link」との連携など、独自の機能が満載です。

また、昨今の購買モデルでもある「ULSSAS」になぞらえて、「ULSAES」という新たなモデルにも着目しています。

詳しくは公式サイトより資料をダウンロードしてみてください。

まとめ

Saasビジネス業界で新たに注目されつつある「FRM(ファンリレーションシップマネジメント)」についてご紹介しました。

FRMはCRMではカバーできなかった新規顧客の獲得までを一貫することが可能です。

SNSなどのコミュニティを活用して口コミなどのUGCを集めることで、「ファンがファンを育てる」好循環が完成します。

今後のビジネス成功に向けて、会社のカスタマーサクセスやマーケティング担当者はFRMをぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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この記事を書いた人

lit.linkとTieUpsのデジマ担当。

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